Appleの新しいストリーミングサービスに対する非難の輪が広がるなか、ブライアン・ジョーンズタウン・マサカー(Brian Jonestown Massacre)のフロントマン、アントン・ニューコムもこれに加わり、Apple Musicの著作権使用料無料の3か月の試用期間に同意しなければバンド名をiTunesから削除すると脅されたと主張した。

 2004年のドキュメンタリー映画『DIG!』でその派手な性格が露わになっているニューコムだが、ツイッターでAppleの交渉戦術について彼らしい毒舌を吐いたり、“悪魔のような”振る舞いだと非難しているのだ。

 「Appleは新たな契約を提示してきたんだ、“あなた方の曲を3か月無料でストリーミング配信したい”ってね。“もしダメだと言ったら?”と聞くと、彼らは“あなた方の曲をiTunesから引き下げる”とさ。冷酷だろ? クソっ、悪魔の企業め」と綴っているほか、「人にタダで働けなんて脅すべきじゃない。あのクソったれのアホどもが、芸術に価値がないと決めるなんてあってはならないよ」とも加えている。

 Appleの新ストリーミングサービスが3か月の無料お試し期間中は著作権使用料を払わないと決定したことが物議を醸すなか、この意見に賛成する独立系企業やアーティストたちが増えている。

 オーストラリアの独立系音楽会社の団体“AIR”は6月17日、著作権使用料無料の取り決めに懸念を示し、会員各社にこの契約を是認しないことを伝えた。AIRでは、それに全面的に同意した場合の結果について、すでに多くの会員が大きな懸念を示しているとしている。また、米国のインディーズ団体“A2IM”は先週、iTunesダウンロードの著作権使用料はApple Musicに流用される可能性があるため、Appleとの契約締結を焦らないようにとの警告を会員宛てに出した。

 Spotifyには熱烈な賛辞を贈るボン・イヴェールのフロントマン、ジャスティン・ヴァーノンも、Apple Musicはあまり感心しないとの考えをツイッターのフォロワーに向け公言している。また、独立系レコード会社Beggars Group(ベガーズ・グループ)のマーティン・ミルズ会長は、インディーズに対する不公平な扱いだとの見解を述べている。