サザンオールスターズ 東京ドームで明言「いつまでやってられるか分かんないけど、命続く限りやらせて頂きたいと思う」
サザンオールスターズ 東京ドームで明言「いつまでやってられるか分かんないけど、命続く限りやらせて頂きたいと思う」

 2015年を代表する大ヒット作となっている新アルバム『葡萄』を携え、全国ツアー【おいしい葡萄の旅】を開催中のサザンオールスターズ。5月23日より東京ドーム3days公演をスタートさせた。

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<「ホームグラウンド、東京ドーム」まさかの40分で終了!?>

 アルバム&ツアータイトルの世界観が反映された空間に現れた五人衆(桑田佳祐、関口和之、松田弘、原由子、野沢秀行)は、お馴染みのサポートギタリスト斎藤誠やコーラスTIGER、金原千恵子ストリングス、ホーンセクション、アートからエロまで網羅するダンサーチーム等を従え、そして地鳴りのような大歓声で迎えてくれた5万人と、約10年ぶりとなる東京ドーム公演を敢行。新アルバム『葡萄』収録曲はもちろんのこと、日本を代表するスタンダードソングとなった大ヒット曲から、誰もが聴けると想像していなかったであろうナンバーまで、終始どしゃ降りのようなハンドクラップと、この日を待ちわびていたファンの笑顔と涙に包まれながら、松田弘いわく「ホームグラウンド、東京ドーム」を国内最高峰のアミューズメントパークに染め上げていく。

<あらゆるサザンファンを満足させる圧巻のアクト>

 最初のMCで桑田佳祐は「スタンドー! アリーナァァ!」と煽りつつも「今日は(東京ドーム)初日で元気いっぱいでございます。40分ちょっと頑張りたいと思います」と笑いを誘っていたが、実際には約3時間半ほぼぶっ通しで歌いっぱなし。エロもバカもとことんやって、ボロボロ泣いてしまうような場面も何度も創造し、桑田佳祐いわく「マダムゆうこりん」こと原由子が踊りながら歌い出す場面もあり、さらに「この曲、要らなかったなぁ。今聴くと恥ずかしいなぁと思う曲も実はあるんです」と冗談を言いながら激レアな懐かしい曲も披露し、柳沢慎吾のパトカーと同じ手の動きをしながら「ドローン」と事ある度に披露したり(笑)と、あらゆるサザンファンを満足させる圧巻のアクトを繰り広げた。

<「本当は福山(雅治)が好きなんだろうなぁ。一番はミスチルだろうなぁ」>

 そんな娯楽と芸術がひしめく何でもアリの東京ドーム公演を、すでに還暦を迎えたメンバーもいる大御所バンドが繰り広げている痛快さ。それを「これから私たちが60を過ぎ、70を過ぎ、あっと言う間に歳を取ると思うんですけど、いつまでやってられるか分かんないけど、命続く限りやらせて頂きたいと思う」と明言してみせる生き様。同時に「いつも忘れられてしまうんじゃないか。本当は福山(雅治)が好きなんだろうなぁ。一番はミスチルだろうなぁ。どうせ俺たちは二番目か三番目なんだ。そういう恍惚と不安の中でこれからも活動を続けていくんじゃないか(笑)」と爆笑も生みつつ、「これからも一生付き合ってね!」と甘えてみせるチャーミングさも実に魅力的で、そんな彼らのライブを思い存分味わえる贅沢さ。ぜひこの先も日本中の人々へ堪能させてほしい。

<【おいしい葡萄の旅】は日本武道館まで続いていく>

 なお、全国ツアー【おいしい葡萄の旅】は追加公演含め全11か所23公演、合計で50万人以上を動員する予定。8月17日、18日の日本武道館まで続いていくので、この先もサザンの動向に注目してほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄