楽曲の著作権使用料を徴収するアメリカの公的機関SoundExchange(サウンドエクスチェンジ)が、第3四半期において前年の同期を74%上回る2億6,700万ドル(約306億円)を分配する記録を打ち立てた。第2四半期の1億6,100万ドル(約184億円)からは39.7%増。受取人であるレコード・レーベルやアーティストの数は21%増えたという。

 インターネット・ラジオや衛星ラジオが成長を続けるなか、SoundExchangeが今年の第3四半期までに支払った金額は、2013年の年間総支払額を既に上回っている。合法的なウェブキャスティング・サービス、衛星ラジオ、ケーブル・ラジオの著作権使用料における今年の分配額の累計は、5億9,060万ドル(約677億円)となっており、昨年一年で分配した5億9,040万ドル(約676億円)をわずかながら上回ったのだ。

 このペースで行くと、今年終わりまでに8億ドル(約916億円)に達しそうだが、これは米国内におけるデジタル・ダウンロード収入額にかなり近づくことになる。昨年のダウンロード額は13億ドル(約1,488億円)ながら、昨今12%の減少が見られることから、今年はおよそ11億5,000万ドル(約1,316億円)ほどになると思われる。もし、このままストリーミング・サービスが成長を続け、ダウンロード・セールスが減少し続けると、2015年にはSoundExchangeの分配額がダウンロード収入額に限りなく近づくことになるだろう。

 2015年以降の収益がどうなるかは、各サービスの支払い額次第となる。SoundExchangeの分配額は、Pandora(パンドラ)やiHeartRadio(アイ・ハート・ラジオ)などの法定料率サービスによって支払われる額の変化が影響するためだ。米著作権料委員会(The Copyright Royalty Board)は2016年から2020年までの法定料金を決定するための手続きに入っており、来年後半には発表される見込みだ。