ニールセンの最新調査にて、アメリカではラジオが依然としてよく聴かれていることが明らかになった。オーディオ消費の大部分は、便利さを重視する人々による受動的な聴取だといい、同調査ではオーディオ・リスナーの習慣と好みの形式によって人々を分類している。

 オーディオ・リスナーの54%を占めるラジオ・リスナーは、3タイプに分けられる。17%はラジオ放送そのものを好み車でも聞く“Convenience-Seeking Traditionalists(便利さを求める伝統主義者)”で、14%はバックグラウンドでカーラジオを聴く“Background Driving Defaulters(運転時のながら聴取者)”。そして、23%はバックグラウンドで音楽を楽しみ無料サービスを好む“Music-Loving Personalizers(私的に音楽を楽しむ人)”、というものだ。

 ニールセンの調査はオーディオ聴取者に対し独特な見方をしている。ほとんどの調査では、広範囲な人々の聴取行動を示し、何人のアメリカ人が、あるいは若年層の何人がどんな形式の物を聴いているかなどを追うが、ニールセンの取った方法では、聴取者グループによって聴取の目的が異なり、違った形式の物に惹かれることが考慮されている。

 また、今回の調査では、なぜインターネット・ラジオに興味を持つのかについても示唆している。なぜアップルやアマゾンが大衆向けに作られたラジオや同類サービスにて、インターネットラジオの大手、パンドラの領域に進出したのか。その理由は、多くの人たちは受動的なリスナーであり、積極的な参加を必要とするオンデマンドの音楽サービスに時間と費用をかけないからだ。

 なお、最も熱心な音楽ファン“Discriminating Audiophiles(耳の肥えた音楽愛好家)”が聴取する時間は3番目に多く、人口比でも聴取時間でも18%を占める。さまざまなタイプのオーディオを聴き、特定のコンテンツに費用を払うのをいとわないこれらのリスナーを、ニールセンは“非常に熱心な”音楽ファンとしている。また、これらの音楽ファンに加え、自らのニーズに合う新しいプラットフォームを早期に取り入れ、多種のオーディオを熱心に楽しむ“Techie Audio Enthusiasts(オーディオ技術愛好家)”の両タイプが、音楽と深く関わり合い、コンテンツ料を払う可能性が高いとされている。

 ニールセンは12歳以上のラジオ・リスナーを2億4,400万人と推定しており、上記の2タイプがオーディオ聴取者の31%、およそ7,500万人を占めるとみている。