「駅前の制作者がわからないような銅像でも、明らかな著作物である限りプロパティリリースは適用されます」(同)

 企業名や商品名のロゴも写っているとだめだ。私が撮影したクラシックカメラの写真について、

「この『ROLLEIFLEX』というロゴをレタッチで消してもらえれば」

 と言われて驚いた。むしろクラシックカメラはそういうロゴが大切だと思うのだが。そこに「ROLLEI」とか「RICOHFLEX」とか書いてあるのを見て、おっさんはニヤニヤするわけじゃないですか! がっくりした私を見て、ピクスタの人が、

「意地悪で言ってるんじゃなくて、トラブル防止ですから」

 となだめてくれた。

 これも商品広告の写真に他社の商品が写り込んでいてはいけない、という判断である。

 今回の写真審査はあくまで雑誌用の企画として行われており、実際の審査では違う結論がでる可能性もある。また二つのリリース以外に、写真の画質、広告写真としての適否なども判断する。

「我々が審査しているのはあくまで広告写真としてどうかということで、写真の作品性を貶(おとし)めるつもりは全くないことをご理解ください」(同)

 なかには自慢の一枚を審査で落とされて、怒って電話してくる人もいるそうだ。フォトコンテストとストックフォトは写真の観点が違うことを肝に銘じておきたい。(取材・文/フリーライター・神田憲行)

※『アサヒカメラ 6月号』より