「写真を売るにはアイデアが大事」とピクスタの岡さん
「写真を売るにはアイデアが大事」とピクスタの岡さん

 アマチュアが撮影した写真を有料配信するサービスが話題だ。どのような仕組みなのか、どんな写真が「売れる」のか。『アサヒカメラ 6月号』で、記者が体験してみた――。

【売れるかどうか実際に見てもらった写真はこちら】

※前編よりつづく

■フォトコンテストと違う応募ルール

 写真を預けるクリエイター登録の方法を簡単に説明しておこう。すべてインターネット経由で簡単にできる。

 まずピクスタのHP(https://PIXTA.jp/)から「素材を販売したい方はこちら」を選ぶ。そこからまずクリエイター登録を行う。免許証など身分証明書が必要だが、これもデジカメで撮ってネット経由で送るだけだ。

 そのあと「入門講座」を受講する。これもHP上で文章を読んでいくだけだが、ピクスタの独自ルールが書いてあるのでしっかり読むことをお勧めする。フォトコンテストの応募ルールとはかなり違うことに驚くだろう。

 それが終わると、内容を理解したかチェックテストがある。全問正解しないと不合格になるのだが、また受け直すことも可能なので、焦ることはない。実際、私も一度不合格になった。

 それが終わってようやく、自分の写真をアップロード(ネット経由でピクスタに写真を預けること)が可能になる。とはいってもすぐ販売が開始されるわけではなく、写真審査がある。それがどんなものか、次に紹介していこう。

■優先されるのは芸術性より「ルール」

 ピクスタでは毎日1万点以上のイラストや写真などが送られてくるが、すべて人の目で一つひとつ審査しているのだという。

 その基準は写真の芸術的観点というより、ピクスタのルールを守っているかを中心に行われる。

 フォトコンテストともっとも違うのが「モデルリリース」と「プロパティリリース」だ。

「モデルリリース」とは、ようは撮影同意書のようなものだが、撮影だけでなく販売されることも同意されなくてはいけない。同意書にサインしても、自分の顔が知らない企業の広告に使われているのを見て慌てて連絡してくるモデルがいるという。モデルリリースの「ひな形」はピクスタのHPにあるので、それをダウンロードしてモデルのサインだけでなく住所、連絡先も記入してもらい、それをピクスタに提出する。

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