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動きを考えて、自分が動く <どうぶつサプリ>

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アサヒカメラ

レッサーパンダ /  さいたま市大崎公園子供動物園

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ホッキョクグマ /  大阪市天王寺動物園

ホッキョクグマ /  大阪市天王寺動物園

コアラ /  埼玉県こども動物自然公園

コアラ /  埼玉県こども動物自然公園

 犬や猫などペットと暮らしている人も増えてきました。テレビなどで野生動物を見ると、人間と長く関わってきた犬や猫とは違い、とても人とは相容れないだろうなという印象を受けるかもしれません。一方で、野生動物たちが、人とうまく付き合っている場所があります。
そう、動物園です。

 そんな動物園で、動物たちの日常を見つめて写真を撮り続けている動物・写真家 さとうあきらさんの連載コーナーが始まります。

 今回は、さとうあきらさんにお話しを伺いました。

【どうぶつサプリ ギャラリー】


* * *
【Q】動物園で写真を撮ろうと思ったきっかけについてお聞かせください。

【A】
動物園の動物たちを本格的に撮影し始めたのは、アフリカのケニアから帰ってきてからです。広いアフリカの動物も、野生動物保護区に住んでいる、つまりレンジャーなど人間が管理するエリアでないと安住の地がないことを知りました。野生と言われている動物も、人間の管理下に置かれている事実を見て、その凝縮された形の動物園を見直すことにしたのです。調べてみたら、動物園の動物たちは、ほとんどが動物園生まれ。彼らの安住の場所は、まさしく動物園しかないんです。そんな動物たちの日常を見せてもらいたいと思い、動物園通いが続き、さらに水族館にもうかがうようになりました。


【Q】撮影に際して心がけていることは何でしょうか。

【A】
写真の撮影は、これから起こることを予想する、予期することが必要です。写したい瞬間の一瞬前にシャッターを切らないと自分の思い描いた写真を撮ることは出来ません。特に動物を撮影する時は、観察が重要です。その動物ならではの動き、さらに個体ごとの動きが分かるように観察を続けると、これからの動きが分かってくるようになります。
みなさんにお見せする写真は、一般のお客さんと同じ位置から撮影したものです。わたしと同じ位置から誰でも撮影ができます。掲載した写真で気にいったものがあったら、ぜひ、実際に動物園や水族館へ足を運んでください。日本には、たくさんの動物園、水族館があります。ご近所のお気に入りの場所で、お気に入りの動物をみつけて、繰り返し撮影すれば、良い場面にたくさん出会えることでしょう。


【Q】これまで多くの動物たちを撮影なさってこられたと思いますが、中でも印象深かったのはどんな動物でしょうか。

【A】
動物が好きなんです。見ているだけで幸せな気分になるので、それを撮影しているだけ。この動物ということはなくて、どの動物にも思い入れがあるんです。雪の降る中で、丸まって寝ているホッキョクグマの体の下から湯気があがっている姿に、野生動物の底力を感じました。
アマチュアよりもプロが良い写真を、いつも撮れると思うのは間違いです。プロは時間の制約の中で、撮影の結果を出さなければなりません。そのために、もっと撮影したいのを断念して終了することが多々あります。どの動物でも、1時間でも1分でも長く居た方が良い結果が得られます。「撮影できるまで通えばいい」というアマチュア精神が、とても大切だと思っています。


【Q】動物園で動物を撮影する醍醐味は? そして、カメラについてのアドバイスを一言。

【A】
写真撮影の腕がそれほどなくても、手軽にできるんです。技術よりも、まずは撮影したい動物の動きとか表情とか、撮影者が表現したいイメージを持つことです。しぐさも表情も豊かな動物は、いろいろなことをやってくれます。イメージを待っていれば、どの瞬間をとらえるのがベストか、待っていればいいだけです。動物園での動物写真の魅力は、誰でも、時間さえかければ成果が出せます。動物は写真の入門の被写体にピッタリだし、一方、ベテランの方には奥の深い分野だと思っています。
カメラは道具です。目的は、自分が思い描いた写真が撮れること。今、ご自分が使っているカメラに不満がなければ、それを使いこなしてください。ただし、万能のカメラはありません。だからと言ってむやみにカメラ機材を揃える必要はありません。
ご自分の目的に合った写真を撮るためには、このカメラ、このレンズが必要と思ったら、新しいカメラ機材を考えることをお勧めします。高価なカメラは機能も多彩で、画像もしっかりしていますが、機動力にすぐれたコンパクトカメラでなければ撮影できない場面もあるので、用途に応じた道具としてのカメラを選びたいものです。




さとうあきら
動物・写真家。写真を見たみなさんが、「動物園や水族館で暮らしている素敵な動物たちに直接、会いに行って欲しい!」という願いを込めて撮影しています。
著書に『動物園の動物』(山と渓谷社)、『みんなのかお』、『こんにちはどうぶつたち』(福音館書店)、『おしり』『どうぶつうんどうかい』(アリス館)ほか多数。季刊『サイエンスウィンドウ』(科学技術振興機構)http://sciencewindow.jst.go.jp/で、「動物たちのないしょの話」、連載中。


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