モノクロで「原風景」を作り出す。神田開主の「地図を歩く」 〈アサヒカメラ〉|AERA dot. (アエラドット)

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モノクロで「原風景」を作り出す。神田開主の「地図を歩く」

アサヒカメラ
(C)Akikami Kanda

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 北関東で生活しながら、静かに変わっていく景色やその場所性を撮り続けている神田開主の写真展「地図を歩く」が、銀座ニコンサロンで7月2日から開催される。

 埼玉県の深谷で生まれ、群馬県の藤岡で育った神田は、幼い頃から田畑のある北関東の地に慣れ親しんでいた。しかし近年開発が進み、彼の知る「風景」が少しずつ失われてきたのだという。神田は以前から彼の祖母や父が話す昔の町の姿に興味を持っていた。2、30年前まで残っていた茅葺き屋根の母屋のことや、彼の祖母が隣村から嫁いで来た時の話。家一つない、一面の桑畑の中を抜け学校へ通っていた彼の父の話……。それらが今は想像することしか出来ないことに寂しさを覚え、生まれ育ってきた地域のことを「見て知って残したい」と強く感じたという。

 前作「追想の地図」(2012年)の制作中に起きた東日本大震災を受けて、神田は、当たり前の「風景」がある日こつ然と姿を変えることもあることを噛み締めた。そして育って行くなかで見てきた「風景」を反芻するように撮るようになった。

 「地図を歩く」は、その前作を引き継ぎ、北関東で暮らしながら培ってきた眼と感覚で、土地のくらしや、自然と人間との狭間、場所と場所をつなぐ「境界」のような何かを探し撮影していったという。


 見慣れた景色の中にジッと佇んでいると今まで気づかなかった場所のうつり変わりや、当たり前のようにそこに在ったモノの姿が浮かび上がってくる。都会とはまた違う時間の流れの中で、いつとも知らずその営みは変わっていき、ただ静かに姿を変えていく景色のさまは、見知っていたはずなのにどこか遠くまで来たような、そんな錯覚さえ想い起こされる。景色は移るともなく移り変わり、近づき過ぎれば浮き足立ち、離れ過ぎればどこか遠い出来事のように現実感が薄れてしまうその合間を縫うようにして歩を進めていく。(神田開主・同展に寄せた文章から)

 長野県、千葉県も訪ね歩きながら、神田は自身のありかを探している。とりとめない景色のなかにいつの日かの故郷の姿を重ね合わせ、一つ一つ丹念に切り取っていくこと。神田にとっての原風景がそこにある。モノクロ作品31点を展示。写真集も発売。
 また「地図を歩く」のグラビアが「アサヒカメラ」7月号に掲載されている。


神田 開主(かんだ・あきかみ)
1986年群馬県生まれ。日本写真芸術専門学校研究科卒業。JCII菊地東太写真塾に在籍中。
主な写真展に09年「真昼の夜空」、12年「追想の地図」(以上Juna21新宿・大阪ニコンサロン)。

■「地図を歩く/Northern kanto -Walking on a map-」
会場:銀座ニコンサロン
開催期間:2014年7月2日(水)~2014年7月15日(火)
開館:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)会期中無休
住所:東京都中央区銀座7-10-1
TEL:03-5537-1469

写真集:『地図を歩く/Northern kanto -Walking on a map-』(冬青社)


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