野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた一昨年1月、がんの疑いを指摘され、翌月手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中
私に「言葉」をくれた本の一部。阿部謹也『自分のなかに歴史をよむ』(ちくま文庫)にはこんな一節がある。「だれかを理解するということは、その人のなかに自分と共通な何か基本的なものを発見することからはじまる」。これを読み、本を「わかる」と感じるのも同じことでは、と考えるようになった