ドブラヴェ炭鉱で稼働中の33形SL。元ドイツの52形だ。1475ミリの標準ゲージ用で旅客貨物列車などを牽引できる万能機関車だ。日本だとD51に該当するだろう。戦時中、発注生産数量が最も多かった。送られた国によって形式を変えられている。欧州各地をはじめソ連、遠くはベトナムにも送られた。西欧各国の動態保存機関車とは違い車体は水あかで白い粉を吹きかなりくたびれていた。33形がこのような入れ替え専用で残っていたのはうれしい■キヤノンEOS 5D Mark IV・EF24~105ミリ F4L IS II USM・シャッター速度優先AE・640分の1秒(絞りf11)・-0.7補正・ISO400(撮影/都築雅人)
炭鉱には連日33形SLが1台在駐している。2週間に1度トゥズラ発電所近くにあるKreka機関車工場に入場してメンテナンスが行われる。炭鉱では線路や機関車のトラブルがあった場合に備えて保線要員も常時在駐している。大型機関車や重い貨物列車が通過するため線路の傷みも激しい。線路のトラブルを見つけるため保線要員たちはグループで点検に出て工具を入れたボックスを押し線路のボルトをたたきながら歩いてきた■キヤノンEOS 7D MarkII・EF24~105ミリ F4L IS II USM・シャッター速度優先AE・4000分の1秒(絞りf14)・-1補正・ISO400(撮影/都築雅人)
夕方、トゥズラ発電所からDLが空の貨車を引いてシクリエ炭鉱に到着した。待機していた33形SLは蒸気の圧力を上げ即稼働状態に準備。編成を分け貨車をヤードに押し込んだ。静かだった構内も汽笛やドラフト音でこの時ばかりは活気が出る。33形SLはくたびれた老体ではあるが夕日を浴びて金色に輝く車体は花形機関車のようだった■キヤノンEOS 7D MarkII・EF100~400ミリ F4.5~5.6L IS II USM・シャッター速度優先AE・640分の1秒(絞りf8)・-1補正・ISO400(撮影/都築雅人)