輪島市白米町の棚田「白米千枚田」で、佳織さん夫妻は友人たちと1年間米作りに取り組んだ。翔太さんは海が大好きだったという=23年9月、佳織さん提供
佳織さんの卒業制作である乾漆蓋物「桃猫」。翔太さんと可愛がっていた黒猫の「てんちゃん」がコタツで丸くなる姿が桃のように見えたことに、着想を得た。てんちゃんもまた、震災の犠牲となった=佳織さん提供
翔太さんと暮らした自宅は、がれきと化した。だが佳織さんは、日に日に崩れていくこの家を、友人たちに見に来てほしいと思っている。「痛々しく見えるかもしれないけど、私と翔ちゃんがここで生きていたことを知ってほしくて」=24年11月、佳織さん提供(撮影:はちどりphoto)
ライブ翌日、ふたばさん(中央)と撮ったスリーショット=23年7月、佳織さん提供
「水になって」のリリックビデオのワンシーン。動画には、ふたばさんのメッセージが添えられている。「佳織さんにとってはラブレター 僕にとっては大切なラブソング この曲がまた誰かにとっての大切になれるように」
佳織さんは宮島に移住した友人家族を訪ねた際、シーカヤックに乗り、一握りの翔太さんの遺骨を海に返した。「この世の命も、自然も、すべてつながっている。だから私は一人じゃない」=24年8月、佳織さん提供
甘えん坊な愛猫・てんちゃんを抱きしめる翔太さん。てんちゃんは震災の日から行方不明になっていたが、1か月半後、自宅内の倒れたキャットタワーの中で見つかった。佳織さんは、カチカチに硬くなったてんちゃんを、泣きながら引っぱり出したという=佳織さん提供
地震の揺れに驚いて家を飛び出したものの、最後はちゃんと帰ってきてくれた、てんちゃん。「人見知りが激しい子だったので、家が一番落ち着く場所だったんでしょうね。寒い中、私たちの帰りをずっと待っていたのかと思うと……」(佳織さん)=23年12月18日、佳織さん提供
輪島市白米町の棚田「白米千枚田」で、米を収穫する翔太さん=23年9月、佳織さん提供
輪島市白米町の棚田「白米千枚田」で、米を収穫する翔太さんと佳織さん。能登の雄大な自然に、夫婦でほれこんだ=23年9月、佳織さん提供
佳織さん夫妻に招かれ、輪島市の「古民家レストラン茅葺庵」でライブを開催したふたばさん=23年7月、佳織さん提供
翔太さんとの最後の外食となったイタリアンディナーで、友人が撮ってくれたツーショット。これが最後の夫婦写真となった=23年12月29日、佳織さん提供
石川県立輪島漆芸技術研修所の卒業式で、同級生たちと記念写真を撮る佳織さん(左から2番目)=24年5月、佳織さん提供
ボランティアスタッフや友人たちの協力のもと、崩れた自宅から必要な物を取り出した。バラバラに保管していたはずの夫婦の結婚指輪がすぐ近くで見つかり、「翔ちゃんらしい計らいですね」(佳織さん)=24年3月、佳織さん提供
震災から1年ぶりに取材に応じてくれた佳織さん
すっかり姿を変えてしまった、輪島の千枚田を見つめる佳織さん。「翔ちゃんは自然と一体になっている。命はめぐり、つながっている。震災を機にそう感じるようになりました」=24年11月、佳織さん提供(撮影:はちどりphoto)