昨今何かと話題を集めているのが、テレビ業界のセクハラ、パワハラ絡みの不祥事だ。
【写真】セクハラ疑惑が報じられ、「NEWS ZERO」を降板した男性記者
今年2月には“麿”の愛称で親しまれ、フジテレビ系「プライムニュース イブニング」に内定(※当時)していた元NHKの登坂淳一アナウンサーが「週刊文春」に過去のセクハラ、パワハラ疑惑を報じられて出演を辞退。
4月には日本テレビ系列の熊本県民テレビの代表取締役社長(※当時)にセクハラ、パワハラ疑惑が浮上し、同月付で解任された。
そして、最近になって同局系「NEWS ZERO」への出演が内定していた同局の報道局政治部記者で官邸キャップを務めていた青山和弘記者に女性局員へのセクハラ疑惑が一部で報じられた。
20年近く業界の末席に名を連ねる者の一人として、こうしたニュースが報じられるたびに改めて感じるのが、メディア業界を取り巻く時代錯誤の空気だ。
そもそも、常日頃からニュースを報じる側としてセクハラやパワハラといった問題を取り扱っている立場上、メディア業界は他の業界以上にこうしたこと敏感にならなくてはいけないはずなのだが、かねてから“メディア村”の住人の感覚は一般社会よりもだいぶ遅れているように思う。
私事ながらスポーツ新聞の記者時代、酒席で酔った上司や先輩記者に殴られたり、蹴られたりしたことは1度や2度ではない。一気飲みもよく強要されたものだ。
さすがに、外部の目もある仕事現場でこのような理不尽な目に遭うことはなく、幸か不幸か個人的には今となっては懐かしい思い出のような感覚だが、人によってはトラウマになっていただろうし、パワハラとして問題になっていても不思議ではないだろう。
同僚の女性記者も、先輩記者から「最近いつセックスした?」なんて酒の肴かわりにちょくちょく聞かれていた記憶がある。
ほんの10年ほど前の話である。
そんな新聞記者時代の自分からしても、いわゆるテレビマンたちの日常はよりハードなものに映った。