さらに、これを過去1年間に絞ると、わずか0.5%。現役で炎上に書き込んでいるのは、200人に1人しかいないことになる(2016年に約4万人を対象とした調査分析でも、現役の炎上参加者は0.7%程度だった)。

 炎上1件当たりで考えると、さらに少数となる。2014年における炎上発生件数は667件、現役の炎上参加者が平均して年間2件の炎上に書き込んでいると考えても、わずか0.0014%程度――7万人に1人しか1つの炎上事件に書き込んでいない。つまり、1件当たり平均して1000人程度しか書き込んでいないことになる。

 その一方で、炎上を認知していない人は全体の8%と、10人に1人以下であり、炎上の認知度はかなり高いといえる。

 炎上が起こると、大多数の人が攻撃をしているように思えるが、実際には炎上に参加して攻撃的なコメントを書く人は、ごくわずかなのだ。

 0.5%の現役炎上参加者について、さらに内訳を分析すると、66%の人は、年間2件以下の炎上参加。その一方で、11件以上(平均してほとんど毎月炎上に加担している)という人が10%いることが分かった。0.5%のさらに10%、つまり0.05%(2000人に1人)の人が、年間11件以上の炎上に書き込みを行っている。

 また、炎上1件当たりに何回書き込んだかについての分析では、1回という人が最も多く約35%、次いで2~3回の人が約34%であり、合計すると69%の人は3回以下であることが分かった。その一方で、51回以上の人が3%いる。0.5%の中のさらに3%なので、ネットユーザの0.015%(6700人に1人)といえる。

 ここで重要なのは、1件当たりの書き込み回数が3回以下の「多数のライトな炎上参加者」よりも、1件当たりの書き込み回数が51回以上の「少数のヘビーな炎上参加者」の方が、書き込んでいる回数は多いということである。つまり、0.5%の中のさらにごくわずかの人が、炎上参加者の主役となっていると推察される。

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ネット世論に信憑性はあるのか?