スウェーデンを破って、W杯4強入りを決めたイングランドのサウスゲート監督 (c)朝日新聞社
スウェーデンを破って、W杯4強入りを決めたイングランドのサウスゲート監督 (c)朝日新聞社

 イングランド代表が90年W杯イタリア大会以来、28年ぶりにベスト4へ勝ち進んだ。

 W杯開幕前は代表チームへの期待が低かったイングランド国内だが、グループリーグ突破を決めたあたりから徐々に盛り上がりを見せ、決勝トーナメント1回戦でコロンビアを下すとボルテージは急上昇。準々決勝のスウェーデン戦に勝利してベスト4進出を決めると、国全体が熱狂した。

 スウェーデン戦を放送した英BBC放送は、ロンドン、ノッティンガム、リーズ、ニューカッスルなどイングランド各地のパブリックビューイング会場を中継でつないだ。イングランドの得点時や試合終了時には、満員に膨れ上がったサポーター達が一斉に狂喜乱舞。シャンパンファイトさながらビールが宙を舞い、イングランド旗のセントジョージフラッグが揺れた。試合翌日の英紙『サン』は「イエーーース!」の見出しで歓喜。英紙『タイムズ』も1面トップで「夢は続く」と報じ、イングランドはW杯フィーバーに沸くことになった。

 英メディアでも、ベスト4進出に沸く国内の様子が、面白おかしく報じられている。

 例えば、スウェーデン戦当日に結婚式を行ったカップルのエピソード。結婚式とキックオフの時間が重なったことから、花婿の携帯電話には「式場にテレビを設置しろ」、「60インチの大型テレビを用意できないか」という命令に近いメッセージが友人から多数寄せられたという。

 しかも、ベストマン(※欧米では花婿の親友や兄弟が「ベストマン」として挙式をサポートする)を務める友人に「仮病を使って休む」と脅しをかけられ、花嫁の父親からも冗談交じりに「テレビを置かないなら、娘はやらん」と言われる始末。花婿は「みんなの要望をかわすのが大変だった」と困惑した表情で話していた。

 また、世間的には「ダメお父さん」のレッテルを貼られそうだが、スウェーデン戦当日に夫人の出産予定日を迎えた男性サポーターの声も印象的だった。「陣痛が始まったら、iPadで試合を隠れて見なきゃ。もちろん、奥さんにバレないようにしないと」。産まれてくる赤ちゃんは女の子だといい、「イングランドが勝利すれば、その子の名前はケインにする」と、大会得点ランクで首位を走るFWハリー・ケインの名前を娘につけると明かした。

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記念のタトゥーを入れる男性も登場!