世間が騒ぐほど、日大の問題は企業人事の間では話題になっていないと各採用担当者は口を揃える。
「過去に飲酒で問題を起こした大学がありましたが、だからといって同じ大学の学生にそういう話題をぶつけることはしませんよね」(前出の人材派遣会社)
「実際のところ、学歴も見ますけど、その人を面接したときの人物像をきちんと受け止めて、合否を決めています。また、よく聞く質問は、失敗したあとの対応。日大の件もそうですが、その失敗体験から何を学び、どう行動したのか、人事としてはその過程を評価の対象としています」(同前)
大学イノベーション研究所所長の山内太地氏はこう話す。
「就職活動において、日大の学生たちにダメージはありません。日大は歴史のある学校ですから、自信をもって、胸をはって『私はこういうことを学んできました』と答えてほしいです。高校生にも、『日大を志望して大丈夫ですか?』と聞かれます。あの人たちはあの人たちの人生です。全くの他人だと考えましょう。日大は、たくさんの学部・学科があり、それぞれが独立しているようなものですので、他の学部や部活にとって、いい迷惑だったと思います」
日大の学生は、世間の批判にとらわれず、堂々と自分自身をアピールすることが大切になりそうだ。(田中将介)