いよいよ安倍政権のカウントダウンが始まったようだ。
自民党は19日午後、麻生太郎財務相の辞任など野党6党がまとめた4項目の要求に対し、応じられないとする回答を示した。
テレビ朝日の女性社員が福田淳一事務次官のセクハラ被害を公表したことで、財務省に批判が殺到する最中、麻生財務相は同日、国会の了承なく、米国のワシントンで開催されるG20(20カ国・財務相、中央銀行総裁会議)に”遁走”。ある自民党派閥領袖がこうぼやく。
「官民問わず、この状況になれば、トップは責任を取るものだけど、麻生さんは逆。自分の置かれている状況をまるでわかっていないね。吉田茂元首相の孫でセレブというプライドが高い彼はもともと国民感覚が0の人。安倍さんの方がマシで福田次官のセクハラを放置していたら、政権がもたないと思って、官邸に介入させて辞任に抵抗していた福田次官を辞めさせた。次は麻生さんの首に鈴をつけられるか……。だが、誰も手がつけられないようだ。無理に辞めさせると、次の総裁選で安倍さんは麻生派の支持を失うだろう。だが、このまま居直られても支持率は下がる一方だし……」
安倍首相、麻生財務相という2トップ不在の党内には不穏な空気が漂っている。
自民党の二階俊博幹事長は18日夜、東京・赤坂の日本料理店で、小泉純一郎元首相、山崎拓元副総裁、東京都の小池百合子知事らと会食。
会合後、記者団の取材に応じた山崎氏は、安倍政権について「人心一新のときがきている」との認識で一致したと語った。
「小泉さん、山崎さんらは日本酒を5合づつぐらい飲んでいたが、二階さんは3時間近くずっとお茶を飲んで料理をひたすら食べていた。自分からはあまり喋らず、小泉さんや山崎さんの話をじっと聞いていた。小泉さんはすでに安倍さんを見限っているし、山崎さんも次の総裁選で他派閥と組んで石破茂(元幹事長)さんを押そうと画策しているようだ。安倍さんが外遊中に政局がどんどん動いている。二階さんも腹を固めつつある」(自民党幹部)