「技術委員会が機能していなかったという点については、まったくそんなことはありません。彼らは必死に、どう改善していくのかをやってくれていました。監督主導でやっていたように見えたと思いますが、そのサポートをしっかりしているのを僕は見ています。だからまったく機能していないということはないと思っています」

 田嶋会長は会見でそのように述べていたが、霜田氏が離れて以降、技術委員会が指揮官を的確にサポートできる状態になかったのは間違いない。協会として技術委員会を正常に機能させることはできていなかった。

 残念ながら、と言っていいだろうが、ハリルホジッチ監督の解任は決まった。これで原氏や霜田氏が構築した「日本サッカーの未来図」は霧消してしまった。それを招いたのは、田嶋会長を選任した日本サッカー界に他ならない。果たして田嶋会長は、日本サッカーをどこへ導くのか、その将来図が見えないことが一番の不安材料でもある。(文・六川亨)