●スサノオという神さまの姿
これで話を終わらせてしまうのももったいないので、少しスサノオという神さまについて取り上げてみたい。
スサノオは漢字で書くとさまざまな表記があるためカタカナで表記させていただくが、伊勢神宮に祭られている天照(あまてらす)大神の弟神で、兄神に月夜見(つくよみ)尊という神さまもいる。性格にまったく統一性がなく、あばれ者であったり、子どものようであったり、正義感あふれる若者であったりするのだが、おかげでさまざまな神さまや渡来の仏さまなどとも習合して全国各地の神社やお寺に多大な影響を与えている。
スサノオを祭るお社の総本社は京都の八坂神社だが、ここは江戸時代には牛頭(ごず)天王を祭る神仏混交のお社であり、スサノオ信仰とはかなり違った歴史を持っている。現在、主祭神をスサノオとして祭る神社の名前の種類は数多く、八坂神社をはじめ八雲神社、津島神社、天王神社、須賀神社、弥栄神社、もちろん素盞嗚(すさのお)神社、須佐神社といった分かりやすい社名もある。