日本の芸能界における男性グループといえば、長きにわたり「ジャニーズ事務所」が一大勢力を築いて来た。
もちろん、近年では「EXILE」や「三代目J Soul Brothers」といった「LDH」勢、「東方神起」「BIGBANG」ら韓流グループ勢、その他にも俳優集団「D-BOYS」など“非ジャニーズ”グループの中にも人気を集めるグループもあったが、さりとてその実績、歴史を考えると「ジャニーズ」勢の一強時代が続いていたといっても過言ではないだろう。
だが近年は、前述のLDH勢らに加えて東海エリア出身の10人組エンターテイメント集団「BOYS AND MEN(ボイメン)」をはじめ、多数の男性グループがメジャーデビュー。
昨年11月には、米倉涼子や上戸彩、武井咲、剛力彩芽ら女性タレントを数多く抱えて“美の総合商社”を標榜する「オスカープロモーション」が初めて手掛ける男性エンターテインメント集団「男劇団 青山表参道X」を旗揚げするなど、男性グループ市場がにわかに活況を呈している。
この背景には、「SMAP」の解散騒動を巡る世間の批判、メジャー視点での“ポスト嵐”を巡る世代交代の苦戦など、長きにわたり一強時代を築いて来た「ジャニーズ事務所」への逆風、その勢いの陰りも当然あるわけだが、それ以外にも別の要因があるという。
先日会食した懇意の芸能事務所の幹部はこう語る。
「前提としてデフレの今の世の中、男性よりも女性の方がお金を使ってくれやすいという傾向があるのは間違いないでしょう。日常生活においても女性は化粧品を買ったり、主婦ならば家庭の“財布”を握り生活必需品を購入したりと消費習慣がある。他方、今の男性、とくに若い男の子は本当にお金を使いませんからね。エンタメや芸能界にどちらがお金を落とす可能性が高いかといえば、女性ということになるでしょう」
実際、飲食店やホテルなどでは以前から「女子会」ブームを煽り、女性顧客をターゲットにした戦略に力を入れている。