前回大会を制した青森山田の連覇はあるか?(写真:Getty images)
前回大会を制した青森山田の連覇はあるか?(写真:Getty images)
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 12月30日の関東第一(東京B)と佐賀東(佐賀)の開幕戦から決戦の火蓋が切って落とされる、第96回全国高校サッカー選手権大会。11月20日の組み合わせ抽選会の際に会場が大きくざわめいたのが、前回覇者の青森山田がいるAゾーン(トーナメント表を4つに分けたゾーン)が激戦区になっていく過程だった。

 このゾーンには長崎総科大附(長崎)、清水桜が丘(静岡)、日章学園(宮崎)、関東第一、流通経済大柏(千葉)が同居することとなった。昨年度の高円宮杯U-18サッカーリーグと選手権の2冠を達成した青森山田はGK廣末陸(FC東京)とMF高橋壱晟(千葉)ら3年生がごっそりと抜けたが、神戸内定のMF郷家友太が高橋から10番を引き継いで、攻守の要として成長。さらに今年3月に柏U‐18から元U‐19日本代表のFW中村駿太が転入し、不動のエースストライカーが誕生したことで、攻撃力は格段にアップ。プレミアEASTでは3位に終わったが、最終節まで優勝争いに絡んだ実力は本物だ。

 だが、青森山田の2連覇への道のりはかなり厳しい。長崎総科大附はかつて島原商と国見で全国制覇を経験している名将・小嶺忠敏監督が率い、近年メキメキと力を付けてきた。今年はU‐19日本代表で、J1クラブが激しい争奪戦を繰り広げている高校ナンバーワンストライカー・安藤瑞季を擁しており、かなりの難敵だ。そして、流通経済大柏は今年のインターハイ王者である。ここにはすでにプロの獲得レースが始まっているCB関川郁万とFW澤和希の最強2年生コンビがおり、夏冬連覇を成し遂げるだけの力を有している。

 Aゾーンで強豪が潰し合う分、他のゾーンではさまざまなチームに上位進出のチャンスが生まれそうだ。注目校としては、前橋育英(群馬)、東福岡(福岡)、昌平(埼玉)、作陽(岡山)、矢板中央(栃木)、大阪桐蔭(大阪)、米子北(鳥取)が面白い。

 なかでも前橋育英と東福岡は優勝候補筆頭で、前回準優勝の前橋育英は昨年からのレギュラーが7人残り、そのうちのCB松田陸(G大阪内定)と左SBの渡邊泰基(J2・新潟)のふたりのプロ入りが決まっている。今年から校長先生となった名将・山田耕介監督の下、攻守において組織的に戦えて、個の打開力も高いチームに仕上がっている。東福岡にもU‐18日本代表のCB阿部海大(J2・岡山内定)と福田湧矢(G大阪内定)のふたりのプロ内定選手がいる。他にも185cmのCB西田翔央、MF石原利玖、福田湧矢の弟・福田翔生など2年生にもタレントがおり、総合力は高い。この2校は順当に行けば3回戦で激突。この潰し合いが実現すれば、今大会の注目カードとなるのは間違いない。

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思わぬ伏兵は…