近年、導入する私立大が増えていて、受験生にとっては合格のチャンスを増やせる機会だ。センター試験をあらかじめ受験しておけば、出願書類の提出だけでいくつもの大学を併願受験できるというメリットがある。文系科目を課さない大学もあるので、私立大専願の勉強に注力している人でも受験できる。

 ただし、私立大の一般入試はセンター試験の翌週から始まる大学が多いため、私立大を専願する受験生には注意が必要だ。それに募集人員が少なく、合格倍率も高い。それでも、センター試験で85%以上とれる見込みがあれば、選択肢の一つとして検討してみよう。

■“毎日試験”の可能性も 私大併願は要注意

 私立大の受験は、試験日が大きな分かれ目になる。私立大の医学部は31大学と少なく、合格の可能性を高めるために、遠隔地の大学を併願することも珍しくない。そのため、受験生によっては試験日程が過密スケジュールとなる可能性がある。

 17年度入試を例にとってみよう。1月22日に埼玉医科大(前期)、近畿大(前期)、川崎医科大。同23日は自治医科大、日本医科大。同24日には自治医科大、国際医療福祉大、愛知医科大。このように重複する日程が続く。18 年度も複数の大学の試験日が重なっている。

 1次試験と2次試験の日程は違うため、ある大学の1次試験と別の大学の2次試験が重なるケースもあり、調整には注意が必要だ。これに加えてセンター試験利用方式を受験する場合には、さらにハードなスケジュールとなる。

 試験には集中力を要するため、連日の受験は避けたほうがいい。とはいえ、連日試験を受けなければならない可能性も十分にある。そのためにも、自分の学力に合った大学を見極めつつ、試験日程を調整して備えよう。

■得意科目から読み解く、相性のいい大学とは

 私立大医学部は併願で受験する人が多く、1問のミスが命取りとなって1点の差に泣くこともある。だからこそ、相性のいい大学を見極めて対策を講じ、少しでも合格を引き寄せたい。

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