●秩父神社の夜祭りは来月開催
まず秩父神社だが、左甚五郎作と伝わる「つなぎの龍」「子宝子育ての虎」や願い事が叶う「北辰の梟」などの彫刻が施された社殿は見事というしかない。中でも、毎年12月2・3日に行われる「秩父夜祭」と呼ばれる例大祭は、昨年ユネスコ無形文化遺産(「山・鉾・屋台行事」のひとつとして)に登録された、京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに「日本三大曳山祭り」とされているもの。昼間に美しい傘鉾を見るのも、夜に花火に彩られた屋台を見上げるのも甲乙つけがたい。
●白いお守りが大ブーム
日本武尊の創建と伝わる三峯神社は、神使のオオカミがドロボウ除けに効くとして、護符を貰い受ける講(集団参拝する組織)が各地に誕生、江戸時代以降人気のスポットだったが、大正時代に秩父宮さまが参拝されたことから人気に拍車がかかる。最近では、毎月1日だけに授与される「白い“氣”守」を得ようとする人で、付近一帯は大渋滞を引き起こしている。木々が発するパワーを大いに感じられる場所である。
●黄色のうちわが人気
寶登山神社も日本武尊の創建と伝わる神社で、同じく神使のオオカミはドロボウ除け、火事除けとして信心されてきた。加えて「寶」の文字に現れるように、金運隆盛祈願の社としても知られ、祈願者に授与される黄色の「縁起うちわ(ウチは繁盛)」が特に人気である。
11月26日まで境内はライトアップされ、紅葉の美しさが大いに楽しめる。
見どころはもっとたくさんあるのだが、秋篠宮家の眞子さまが婚約者とデートしたとして一躍注目を集めたのが長瀞で、まさに秩父のど真ん中の場所だ。考えてみたら、秩父宮さまといい日本武尊といい、眞子さまには縁ある方々につながる場所だった。神代の時代から人々が暮らしていた秩父は、関東一のパワースポットに違いないと、実は密かに私は思っている。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)