ソフトバンクの2年ぶり日本一で幕を閉じた2017年のプロ野球。巨大戦力で押し切った形となったが、ではその費用対効果は果たしてどうだったのか。12球団の選手の総年俸と今年の勝利数を見て、コストパフォーマンスが良かった球団・悪かった球団を明らかにしたい。
労組日本プロ野球選手会が今年5月に発表した年俸調査(シーズン開幕時、外国人選手は除外、出来高払いは対象外)によると、12球団で最も総額年俸が高かったのは、ソフトバンクの42億800万円(1選手平均7013万円)で2年連続のトップ。2位が巨人の36億8653円(1選手平均6043万円)だった。
この2球団が飛び抜けており、次いで阪神の25億3878万円(1選手平均4162万円)。4位以下はほぼ横並びだが、その中で推定年俸6億円だった黒田博樹が引退した広島が全体11位の16億8806万円(1選手平均2767万円)となり、最も総年俸が少なかったのはDeNAで15億8622万円(1選手平均2600万円)だった。
【2017年・12球団年俸総額】
ソフトバンク 42億800万円(1選手平均7013万円)
巨人 36億8653万円(1選手平均6043万円)
阪神 25億3878万円(1選手平均4162万円)
ヤクルト 22億4200万円(1選手平均3737万円)
日本ハム 21億9774万円(1選手平均3488万円)
ロッテ 21億7107万円(1選手平均3446万円)
西武 20億3557万円(1選手平均3283万円)
オリックス 19億6804万円(1選手平均3336万円)
楽天 19億4986万円(1選手平均3196万円)
中日 18億1390万円(1選手平均2926万円)
広島 16億8806万円(1選手平均2767万円)
DeNA 15億8622万円(1選手平均2600万円)
日本一に輝いたソフトバンクは、投資した分をしっかりとした結果で取り戻したと言える。これをポストシーズンも含めた勝利数(94勝+7勝)で割ると、1勝当たり4166万円。そしてこのソフトバンクよりも1勝当たりの金額で上回ったのが、11年振りのBクラスとなった巨人で「1勝=5120万円」。12球団で最もコストパフォーマンスが悪かったと言える。
同時にセ・リーグ最下位のヤクルトが、総年俸額で阪神に次ぐ4番目の高さでありながら、シーズン45勝のみで「1勝=4982万円」。2年前のリーグ優勝によって跳ね上がった年俸分が、コスパ上では大きな“足枷”になった。