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人工知能(AI)の普及で大動乱の時代を迎えつつある今、これから生き残っていける人材は「理系脳」の持ち主であると、成毛眞は著書『理系脳で考える』で明かしている。文系でも技術が苦手な人でも「理系脳」になれば、ビジネスチャンスはいくらでもある。そのマル秘具体例とは……。
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2016年、総務省はネット普及率調査を行った。その結果、若い世代は使っているのは当たり前。50歳から59歳は91%。だが、これが70歳以上になると、53%にまで激減する。分水嶺は60代にあるようだ。
これからネットデビューする60代、70代もいるだろうが、それを数に加えなくても、20年後には70代も9割がネットを使う時代になっていると考えていいだろう。2036年には、ネットを使わない人は70代以上の1割ほどという、限られた人たちになるのだ。
今、紙の新聞を読んでいる人の多くは、ネットを使わない、使えない人だ。使う人はニュースをネットで読んでいる。ネットで読まないから紙で読んでいるのだ。団塊の世代がここに入るので、人口としては決して少なくない。けれど、未来永劫、その人たちが紙の新聞を読み続けるわけではない。日本人の平均余命は男性が80.98年、女性が87.14年だ。
すると新聞を売っている会社はお先真っ暗なのだろうか。
こんな調査結果がある。おじいさんおばあさんを対象にしたものだ。過去1年間で、お孫さんに何を買ってあげましたかと尋ねている。1位はお小遣いやお年玉、つまり現金を渡したというもの、2位は外食、つまり一緒に食事をしたというもの、3位は学用品、代表格はランドセルだろう。そして4位に輝いたのは書籍だ。29.5%、およそ3人に1人のおじいさんおばあさんは、過去1年間のうちに、孫に本を1冊は買ってあげているのだ。買ってあげるなら本がいいと思っている高齢者が多いということだ。
私が書店員なら、おじいさんおばあさん向けに、お孫さんに定期的に本を届けるメニューを用意するだろう。学齢、性別、そしておじいさんおばあさんの好みを考慮して、毎月1冊ずつ届けるようなプランだ。