また、日常的に手を上げるような動きをするなかで、肩甲骨と腕の骨が繰り返しぶつかって炎症を起こし、いわゆる四十肩、五十肩になります。からだにやさしい水泳ですが、やりすぎると肩を痛めることがあるので注意が必要です。
シニアが安全に運動をするうえでは、筋力、持久力、心肺機能のほか「筋肉のバランス力」が重要です。これは、からだの筋肉同士をバランスよく動かし、いい動きを可能にする脳の働きのことです。
■「筋肉のバランス力」で転倒を予防する
たとえば、ジャンプして着地する瞬間には、ひざのまわりの筋肉だけでなく体幹の筋肉も一緒に着地に備えて活動しています。日ごろ運動していない人の場合、この筋肉同士がうまく協調できず、着地した瞬間にふらつきを抑える筋肉がきちんと働かないと、着いた瞬間にひざに強い力が加わり、ケガをしやすくなります。
年をとってもそれなりの運動を可能にするには、筋力をつけるだけでなく、この「筋肉のバランス力」も保てるような筋肉の使い方や持久力を身につけるといいでしょう。シニアの場合、転倒予防の意味でも日ごろから筋肉のバランス力を意識することは大切です。筋肉のバランス力は年をとってからでも身につけることが可能です。その場合にお勧めしているのは卓球やバドミントンなどの素早い動作を必要とする運動です。