向谷さんがオススメする「快速」の観光列車の一つ、「リゾートしらかみ」 (C)朝日新聞社
向谷さんがオススメする「快速」の観光列車の一つ、「リゾートしらかみ」 (C)朝日新聞社
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海岸近くを走る「リゾートしらかみ」は、窓の外に日本海が広がる。海に沈む夕日を楽しむこともできる (C)朝日新聞社
海岸近くを走る「リゾートしらかみ」は、窓の外に日本海が広がる。海に沈む夕日を楽しむこともできる (C)朝日新聞社
向谷実(むかいや・みのる)/1956年、東京都生まれ。77年に「カシオペア」のキーボーディストとしてデビュー。95年に世界初の実写版鉄道シミュレーションゲームを発売。鉄道各社に技術を評価され、運転士の教育用シミュレーターなども開発する
向谷実(むかいや・みのる)/1956年、東京都生まれ。77年に「カシオペア」のキーボーディストとしてデビュー。95年に世界初の実写版鉄道シミュレーションゲームを発売。鉄道各社に技術を評価され、運転士の教育用シミュレーターなども開発する

 もうすぐ夏休み。どう過ごすか決まっていなくて、まだ頭を悩ませている人もいるだろう。元カシオペアのメンバーで鉄道音楽家として活躍する向谷実さんに、鉄道で安く楽しい旅をするコツを聞いてみた。

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 3連休が始まりました。またこの夏、どこかに旅に出ようと考えている人もいるのではないでしょうか。僕もこの連休中、「三連休東日本・函館パス」(JR東日本・JR北海道)を使ってどこかに旅に出たいと考えているところです。これは1万4050円(大人)で3日間JR東日本の路線とJR北海道の函館周辺の路線が乗り放題になるというもので、別に特急券を買えば新幹線や特急にも乗ることができます。長い距離を移動する人にとってはお得な切符と言えるでしょう。

 オススメの鉄道旅行の方法を教えてほしい、と聞かれることがよくあります。最近JR九州の「ななつ星」、JR西日本の「瑞風(みずかぜ)」、JR東日本の「四季島(しきしま)」など、豪華観光列車がメディアで取り上げられ、お金がないと鉄道で旅はできないというイメージが先行しているのかもしれません。僕はそれらが世界の観光列車と比べて高額だとは思いませんが、お金をあまりかけずに観光列車で鉄道の旅を楽しむことだってできるんです。

 僕のオススメは、「快速」という種別になっている観光列車です。こうした種類のものは、特急券が不要で、指定席を取っても520円しかかかりません(時期や路線によって例外あり)。例えばJR東日本五能線の観光列車「リゾートしらかみ」はオススメです。これは青森駅や弘前駅と秋田駅の間を日本海側にぐるっと大回りするような形で走る列車なのですが、車内で津軽三味線の演奏会があったり、名勝地の案内をしてくれたりします。

 ほかにもJR東日本のものでは、磐越西線の郡山駅と会津若松駅の間を走る「フルーティアふくしま」、長野駅と十日町駅の間の飯山線内を主に走る観光列車「おいこっと」、上越線の高崎駅と水上駅の間を走る「SLみなかみ」などがあります。「SLみなかみ」はその名の通り蒸気機関車が走るのですが、これも520円で乗れてしまいます。こうしたものはフリーきっぷをはじめとしたお得な切符と組み合わせられるので、併用することで安く観光列車に乗ることが出来ます。これら以外にも、「快速」とついているものでしたら全てオススメです。

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