音楽業界で大麻や覚醒剤の逮捕者が相次いでいる。元スポーツ選手や俳優などでも、薬物で逮捕者が出たのは記憶に新しい。だが、お笑い芸人はほとんどいないとカンニング竹山さんは言う。どうしてなのか。
* * *
事務所の元先輩の酒井法子さんが逮捕されたのをきっかけに、愛知県名古屋市の麻薬取締官にロケで3日間密着させてもらって、一般の人のガサとか全部見たんですよ。リアルなやつを。その経験もあって、2年前に単独ライブ「放送禁止」で、覚せい剤をテーマにしました。
そのために田代まさしさんが所属する日本ダルクにお願いして、5人ぐらいにインタビューさせてもらった。なぜ覚醒剤を始めたのかとか、覚醒剤をやめるって何なのかとか。それをライブで一人で喋ったんです。
芸能人だけが薬物をやるんじゃなくて、世の中にはめちゃくちゃいる。一回やると止められなくて、本人はそれが薬物依存症っていう病気だってことに気づいてないんですよね。大麻は覚醒剤よりも依存性が低いと言われるけど、だったらいいわけじゃなくて、日本の法律だとダメだし、若者の場合は、大麻から覚せい剤とか、もう一つ段階を進んじゃうんですよね。
芸能界に誘惑が多いわけではないと思います。周りに全然いないし。夜に飲み歩いて、そういう人たちがいっぱいいるところに行ったりすると、手に入ったりもするかもしれないですけど。でも芸能人って人気商売だから、俳優さんや女優さんやミュージシャンは不安なんじゃないかな。人気は落ちていくこともあるわけだから、いままで1000人集まっていたイベントに100人しか来なかったりすると、自分の衰退がわかったりするでしょうし。
人間的に強けりゃ、その不安に勝てるんだろうけど、なかなか人間ってそんなに強くないわけで、酒に逃げたりとか、酒が飲めなくてシャブやったりとかってするんだろうけど。ダルクの人とか田代さんに聞いたんだけど、始めたきっかけは「歯が痛かったから」とか、そんな小さいことだったりもする。もうちょっと働けるようになったとかで、抜けれなくなるんですよね。薬物依存症なんだってわかるまで、みんな続けるんですよね。だから田代さんも薬物で3回も逮捕されちゃってるんですよ。気軽に手出しちゃうと一生病気になっちゃうっていう感覚を持たなきゃいけない。