「カネの切れ目が縁の切れ目」とはよく言われることだが、この人には当てはまらないらしい。

 ご存じ、鳩山由紀夫元首相(65)は民主党の"創業者"で、永田町の随一のセレブとして知られる。つい先ごろも母親から42億円の生前贈与を受けていたことが発覚したばかりだ。

 民主党では離党者が後を絶たない。新党結成には巨額の資金が必要なだけに、ひっぱりだこになるかと思いきや――。

「鳩山さんと組みたい議員なんていませんよ。党内ではすでに『終わった人』。最側近の松野頼久衆院議員にまで見限られたようです。松野さんは鳩山政権の官房副長官で、陰に陽に鳩山さんを支えてきましたが、いまは維新の会との連携を模索しています。連携の条件はずばり『ハト抜き』。とうとう鳩山さんと離れる腹を固めたようですね」(民主党関係者)

「首相派閥」だった鳩山グループは、所属議員約60人を誇った時代もある。しかし、平野博文文部科学相(63)や海江田万里元経産相(63)らが次々と離れ、残るメンバーは川内博史衆院議員(50)ぐらい。グループと言うより、コンビである。

 党内だけでなく、地元・北海道でも、支持者の鳩山離れが止まらないようだ。

「元首相ながら、毎週のように選挙区に戻っては、夏祭りに参加しています。若い女性からツーショット写真を頼まれるなど、表面的な人気はありますが、選挙は厳しい。記者から解散時期を問われた鳩山さんが、『近いうちは近いうち』なんて答えていたら、途中で秘書に遮られた。鳩山さんは聞かれたら何でも答えるので、余計なことを言わせないように周囲もピリピリしています」(地元テレビ局の記者)

※週刊朝日 2012年8月31日号