楽天の攻撃型2番、ペゲーロ(c)朝日新聞社
楽天の攻撃型2番、ペゲーロ(c)朝日新聞社
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 楽天が戦前の予想を覆す快進撃で、パ・リーグの首位を快走している。その原動力となっているのが、12球団トップのチーム打率.277を誇る攻撃陣の充実ぶりだ。昨季は、チーム得点がリーグ5位、同打率、本塁打ともリーグ4位だった打線の何が変わったのか。

 今季の楽天のオーダーをみると、1番にプロ2年目の茂木が定着し、打率.307と好調をキープしている。2番からはペゲーロ、ウィーラー、アマダーと外国人3人を並べ、5番以降は銀次、今江、岡島などが高打率を残している。外国人野手3人を起用する「超攻撃型オーダー」で、目玉と言えるのが2番・ペゲーロの存在だ。バントをしない2番として、7本塁打、21打点は、いずれもリーグ2位と驚異の存在となっている。

「攻撃型2番」と言えば、日本ハム時代の小笠原道大が思い浮かぶ。プロ3年目の1999年、一塁手のレギュラーを勝ち取った小笠原は、俊足を買われて2番打者として起用されたが、のちに代名詞となったフルスイングで「バントをしない攻撃型2番」として、打率.285、25本塁打、83打点を記録してリーグを代表する選手となった。

 セ・リーグでは、長嶋茂雄監督時代の巨人にも、清水隆行という攻撃型2番がいた。同期入団の仁志敏久と不動の1、2番コンビを形成し「ミレニアム打線」と呼ばれた2000年には、松井秀喜、清原和博、高橋由伸、江藤智など、錚々たる強打者の前を打つ2番打者として、チームの日本一に貢献した。

 MLBでも、近年では「2番打者最強論」がトレンドになりつつある。現在、MLBで最高の選手との評価もあるエンゼルスのマイク・トラウトは、昨季2番打者として打率315、29本塁打、100打点でア・リーグMVPに輝いた。さらにナ・リーグのMVPとなったカブスのクリス・ブライアントも2番打者で、チーム最多の39本塁打を放ち、打率292、102打点でチームのワールドシリーズ制覇に貢献している。2015年もブルージェイズのジョシュ・ドナルドソンとナショナルズのブライス・ハーパーの2人のMVPは、いずれも2番打者だ。昨季はMLBの全30球団中、13チームの2番打者が20本塁打以上を記録しており、従来の2番打者のイメージは皆無に等しい状況だ。

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