
人生、山あり谷あり――。目に見える成績によって評価されるプロ野球選手にとっては、その高低差は非常に大きい。実績を持ちながらも悩める1年を過ごした者たち。そして2017年に復活をかける男たちに注目したい。まずは野手編から。
責任感が強いからこそ、悔しさも人一倍だろう。金本知憲監督の“超変革”の旗頭となるはずだった鳥谷敬(阪神)は今季、自身プロ最低となる打率.236、7本塁打、36打点と不甲斐ないシーズンを過ごした。6月に自己ワーストとなる28打席連続無安打など不振に喘ぎ、7月には5年ぶりのスタメン落ち。3年連続でゴールデングラブ賞を受賞していた守備面でも精彩を欠き、甲子園のファンから厳しいヤジを浴びせられることにもなった。
元々、無口でプレーで周囲を引っ張るタイプなだけに、そのプレーで周囲を納得させられなくなると、一気に立場が危うくなる。金本監督は若手の北條史也を正遊撃手として育て上げたい意向もあり、鳥谷には三塁もしくは二塁へのコンバート案も含めて新たな起用プランも浮上している。だが、鳥谷本人のプライドもある。来季は自身の野球人生の中でも非常に重要かつ、ほぼ初めてとなる正念場のシーズンを迎えることになる。
来季への決意の強さは、中島宏之(オリックス)も同じだ。年齢は鳥谷よりも一つ下の現在34歳。今季は日本球界復帰2年目のシーズンだったが、故障や打撃不振で計3度の2軍降格を味わうなど苦しいシーズンを過ごし、出場96試合で打率.290ながら本塁打数はプロ3年目の2003年以来となる一桁(8本)に留まるなど、主軸としての期待に応えられなかった。だが、体調が万全ならばまだまだ怖い存在。来季が3年契約の3年目であり、鳥谷同様、今後の野球人生のかかる大事なシーズンになる。
鳥谷、中島以上に苦しんだのが、松井稼頭央(楽天)だった。40歳となって迎えた今季は、3月に右ひざを痛めるとそこから打撃不振に陥り、6月には2軍落ち。楽天加入6シーズン目で初めて定位置を失い、出場56試合で打率.213、2本塁打、13打点の成績に終わった。オフには野球協約の減額制限を超える9000万円減の推定年俸7000万円でサイン。確かに年齢的な衰えはあるが、無類の勝負強さと日米で培った経験を活かせる場所はまだまだあるはず。是非とも、走攻守で暴れ回る姿を再び見せてもらいたい。