もっとも、このレースはアイルランド馬ハイランドリール(牡4歳)が大本命というのが衆目の一致するところ。名門エイダン・オブライエン調教師の手がける同馬は、7月に英G1キングジョージを制覇。秋はマカヒキも出走した凱旋門賞2着、ブリーダーズカップターフ1着とずば抜けた成績を残している。この名馬に日本勢がどう立ち向かうかが焦点となりそうだ。

 2レース目は香港スプリント。日本からは春の高松宮記念を制したビッグアーサー(牡5歳)、秋のスプリンターズSを勝ったレッドファルクス(牡5歳)と両短距離王者が出走する。ビッグアーサーは前走のスプリンターズSで12着と崩れたが、これは福永祐一騎手も認めたように騎乗ミスの色濃い結果だった。今回は福永騎手の負傷で名手ライアン・ムーア騎手に乗り替わりとなるが、これがマイナスに働くことはないと思われる。

 レッドファルクスはオープン特別からG3、そして前走のG1と3連勝で頂点へ駆け上がった。スプリンターズSが3カ月ぶりだったようにローテーションにも余裕があり、課題とされていた右回りも前走で克服するなど、目下の充実ぶりはピカイチだ。

 気になる相手関係だが、強敵はスプリント大国とも言われる地元の香港勢。特に2年前の勝ち馬で昨年の高松宮記念も勝っているエアロヴェロシティ(せん8歳)だ。連覇を狙った今年の高松宮記念は来日後に疝痛(せんつう)で出走回避とアクシデントに見舞われ、秋の復帰後は2戦連続で3着。状態と年齢面での衰えをどう判断するかが鍵となる。そのほか、昨年の覇者ペニアフォビア(せん5歳)、充実著しいラッキーバブルズ(せん5歳)も侮れない。

 3レース目は香港マイル。今年の安田記念でモーリス(牡5歳)を破ったロゴタイプ(牡6歳)、マイルチャンピオンシップで上位入選したネオリアリズム(牡5歳)とサトノアラジン(牡5歳)が顔を揃える。安田記念が実に3年2か月ぶりの勝利だったロゴタイプは先行力が持ち味。秋は毎日王冠8着、天皇賞・秋5着と敗れているが、展開次第で好走は可能だろう。マイルCS3着のネオリアリズムと同5着サトノアラジンは、前走で大きな不利を受けての着順。スムーズに走ることができれば巻き返しも見込めるはずだ。特に札幌記念でモーリスを2着に退けたネオリアリズムには注目したい。

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