実績では後藤光尊内野手も申し分ない。パンチ力を兼ね備えた打撃に内外野を問わない守備で活躍。現在38歳。ブルーウェーブ時代のオリックスに在籍した今季の現役選手は後藤とイチロー(現マーリンズ)のみ。「青波戦士」の生き残りとしても意地を見せてもらいたい。「近鉄戦士」の生き残りも少なくなったが、その中で坂克彦が阪神を戦力外となり、トライアウトに臨む。こちらも後藤同様に守備の万能性はアピールポイント。まだ31歳と若く、野手の層を厚くしたい球団は興味を示すはずだ。
トライアウトには今オフに自由契約となった選手だけでなく、過去に戦力外となって現在は独立リーグに所属する選手も参加可能だ。その中でBCリーグ・福島ホープスの佐藤貴規は自身3年連続のトライアウトに臨む。昨年のトライアウトでは7打数4安打と快音を響かせたが獲得オファーはなし。それでも諦めることなく、BCリーグで今季71試合に出場して打率.313、7本塁打、46打点、24盗塁と結果を残した。実兄・由規が今年7月、1771日ぶりに1軍マウンドに戻り、次の試合で白星を挙げたことも追い風。夢の兄弟対決へ向けて“3度目の正直”を狙う。
当日はスタンドに観客も入れた中でシート打撃を行う。過去、結果的に引退することになった選手にとっては、ユニフォームを着てプレーする最後の舞台になった。そして参加した多くの選手が自身の結果とは別に「ファンからの歓声がありがたかった」と声を揃える。まずは選手たちに、悔いのない、全力プレーを望みたい。