CS最終ステージ進出を決め、歓声にこたえるDeNAのラミレス監督=金居達朗撮影 (c)朝日新聞社
CS最終ステージ進出を決め、歓声にこたえるDeNAのラミレス監督=金居達朗撮影 (c)朝日新聞社

 日本ハムの10年ぶりの日本一で幕を閉じた2016年シーズン。順位だけでなく、試合中の采配、若手起用、チーム作りも含めて、今季の12球団の指揮官たちを査定したい。6人のうち、3人が新人監督というフレッシュな顔ぶれが揃ったセ・リーグから採点する。

【広島】
緒方孝市監督:80点
 監督就任2年目で見事にチームを25年ぶりのリーグ優勝に導いた。ここ数年の選手たちの成長に、黒田、新井のベテランの奮闘などに助けられた部分があったにせよ、昨年の反省を生かして選手との対話を重視したチーム作りは評価に値する。何より、快進撃のキーワードになった「神ってる」の言葉を発信したのは他でもない、緒方監督なのだ。だが、日本シリーズでは再び監督としての経験不足を露呈。まだ信じきれないファンも多く、優勝監督としては低めの点数となる。

巨人
高橋由伸監督:50点
 現役引退後、即監督に就任して新たな役割に挑戦。40歳の青年指揮官の下、新鮮味のあった開幕直後こそ好スタートを切ったが、次第に黒星が重なって勢いをなくすと、ベンチ内で険しい表情で腕組みをする姿ばかりが目立つようになった。采配自体も“待ち”の傾向が強く、一部で「コーチに丸投げ」、「ほったらかし采配」と揶揄されもした。それでも結果は2位。敗れはしたが、クライマックスシリーズ(CS)で見せた“攻め”の采配は来季への期待を抱かせるものだったが……。

【DeNA】
アレックス・ラミレス監督:85点
 外国人監督、しかも監督経験のない指揮官に対する期待値はそれほど高くなかったが、シーズン序盤の反省を生かしながら徐々にチームの勝ちパターンを作り上げ、球団初のCS進出という結果に繋げた。その明るいキャラクターとは異なり、選手時代同様に緻密なデータに裏付けされた采配が特徴。若手の起用にも積極的だった点も評価できる。「監督は選手より有名になるべきじゃない」が持論。名監督となる要素は多く持ち合わせている。

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