さらに、顔認識機能で相手の表情を識別することもできるようになった。カメラで相手の表情を認識すると、笑っているのか悲しんでいるのかを推測し、それに合わせて「何かいいことあった?」「何か頭にくることあった?」と会話内容を変えることができるという。
顔認識とともに搭載されたのが「顔追従」の機能。これは話者の方向を推定し、そちらの方向を見て会話する機能だ。例えばKIROBO miniの真横から話しかけると、話者を見つけて、相手の方を見つめて返答する。また、物陰などで見えなかったところから相手の顔が見えると「見ーつけた」と話すなど、相手を認識する様々な機能が搭載されている。しかし、顔認識はできるが「顔認証」はできないため、相手が誰であるか判別したり、人によって会話内容を変えるといったことはできない。
もうひとつの注目ポイントが、自動車や家と「つながる」機能だ。専用アプリをスマホにダウンロードし、スマホとKIROBO miniをBluetoothなどでつなぐことで、自動車や家との連携が可能だという。KIROBO miniを自動車と連携させると、こんなことができる。例えば、一緒に車に乗っている時に急ブレーキを踏むと、「あわわわ、気をつけてよ」、自動車から出ようとすると「置いていかないでよ~」と話すなど、車の状態に合わせた会話を繰り広げる。
家に関しても同様で「玄関の鍵しめたかな?」と話しかけると「大丈夫みたい。念のため自分の目で確かめてね」と答えるなど、家の状況を記憶して会話に反映させることができる。
前出の吉田氏は「KIROBO miniは人に寄り添うパートナー。一方で、自動車の方はいろんなものにつながっていくという流れになってきている。人と車と家と、その間にKIROBO miniが入っていくのかなと思う」と話した。
本体の価格は3万9800円(税抜き)だが、連携のため別途アプリ使用料(月額300円程度)がかかるという。全国のトヨタ車両販売店で17年に発売する予定で、それに先駆けて今年の冬から、都内と愛知県の一部販売店で先行販売する。
10月4日から7日まで幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2016にも出展を予定しており、そこで実際にKIROBO miniとのコミュニケーションを体験できる(文・横田 泉)