会見中、シャッターが切られるたびにその音に反応、あたりをキョロキョロと見回す。トヨタの吉田守孝専務役員が報道陣に向かって話をすれば、その傍らでうんうんとうなずいてみせる。9月29日に行われた会見でかわいらしい動きを見せたのは、トヨタが発表した新ロボット「KIROBO mini」だ。
トヨタはこれまでもロボット事業に着手していた。2013年から14年にかけてはKIROBO miniの前身ともいえるコミュニケーションロボット「KIROBO」を宇宙ステーション「きぼう」に送り、宇宙で若田光一宇宙飛行士との会話を成功させている。
そんなトヨタが今回発表したKIROBO miniのコンセプトは、人間との生活の中で「いつも寄り添い、心を通わせる」というもの。そのため、サイズや機能もそれに合わせたものとなっている。
従来のKIROBOが身長約34センチだったのに対し、KIROBO miniは座った状態で身長10センチほど。基本的には座った状態で会話をするようにできており、女性の手のひらにも収まるサイズだ。自動車のカップホルダーにも入るサイズなので、一緒にドライブに出かけることも可能だという。
特徴のひとつが「未完成」で、会話を通じて「成長」するという点。KIROBO miniは会話のなかで相手の興味や好き嫌いを覚え、そうした記憶をその後の会話に生かすことができるという。例えば、KIROBO miniに「今日はうな丼を食べたよ。高かったよ」と話しかけるとそれを記憶し、後日、別のタイミングで「うな丼」の話が出た際に「うな丼って高いんだよね」と返答したりするという。