開幕前イベントで、ユニホーム姿で勢ぞろいしたBリーグの選手たち(c)朝日新聞社
開幕前イベントで、ユニホーム姿で勢ぞろいしたBリーグの選手たち(c)朝日新聞社
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 スローガンは「バスケットボールで奇跡を起こそう!」。男子バスケのBリーグが9月22日(木・祝)に開幕する。

 「奇跡」とは大げさにも思える表現だが、そもそもBリーグ発足の経緯が奇跡に近かった。日本のバスケ界は2005年から続くトップリーグの分立を解消できず、協会の運営も混乱。14年11月には国際バスケットボール連盟(FIBA)から制裁(資格停止処分)を受ける窮地に陥った。しかしそんなどん底から改革が猛烈な勢いで進められ、15年4月1日にBリーグの母体となる新法人はスタート。FIBAと国の後押しや、改革を主導した「タスクフォース」のチェアマンである川淵三郎氏の手腕が決め手になった。

 1993年にサッカーのJリーグが発足した当時の日本はバブル経済の余韻があり、加えて5年に及ぶ準備期間もあった。対して、後発のBリーグはJリーグのモデルを参考にできたし、時間が限られていたからこそ問答無用の“緊急手術”を進められたという側面もある。だとしても14年秋の時点で、新生リーグを前向きな形でスタートすることを予測できていたバスケ関係者、ファンは皆無だろう。つまりBリーグ発足はスポーツ界、そしてこの国を勇気づけるちょっとした“奇跡”だ。

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