



兵庫県に「神様のいる鉄道」があるらしい。それは、神戸市を起点に、三田市や三木市、小野市を走る神戸電鉄(本社・神戸市)。利用者からは短く「神鉄(しんてつ)」と呼ばれて親しまれているのだが、「かみてつ」とも読める。そんな呼び名にちなんだ沿線を盛り上げるプロジェクトが進められているという。
その名も「しんてつ―神様のいる鉄道―プロジェクト」。2016年3月から、沿線における神がかりな「すごい人」「すごい場所」「すごいコト」といった「沿線の神様」を募集している。その対象は幅広く、応募者が「神様のように(あるいは神様が宿っていると)思っていること(もの)」でも、沿線にゆかりがあり、第三者からも共感が得られそうならオッケーだという。
なぜ、このようなプロジェクトが始まったのか。同社によると、4つの路線のうち、利用者の減少などにより存続が危ぶまれている鈴蘭台(神戸市)と粟生(あお、小野市)を結ぶ粟生線を盛り上げようと、兵庫県立小野高校の生徒らが考えた「各駅にちなんだ神様を設置する」といった提案がヒントになったという。それを発展させたのが、今回のプロジェクトだ。
同社によると、募集を始めてから、これまでにさまざまな情報が寄せられているという。いくつかは同社の情報誌「Happy News Letter」などで紹介されているが、果たしてどのような神様が見つかったのか?
その中の一つが、小野駅(小野市)から徒歩約15分、小野市役所にある「祈願そろばん」だ。市役所に近づくと、駐車場内に縦約4メートル、横約9メートルもある巨大なそろばんのオブジェが見えてくる。オブジェの下に目をやると、金色の大玉とその前に置かれた7桁そろばんのモニュメントが。こちらが試験の合格だけでなく、商売繁盛、良縁、夫婦円満など、オールマイティーな祈願スポットとなっているのだ。
小野市は播州そろばんの産地で、全国生産の約7割を占めている。市の担当者によると、巨大そろばんは1983年に設置、市の名産品のそろばんをPRしてきた。近年では、近くの市伝統産業会館で販売されているアイデア商品、「5」か「9」しか出ないそろばん「合格(5か9)お守りそろばん」が受験生に人気となっている。さらに、そのそろばんを買いに来た受験生の間で「巨大そろばんの柱に触れたら合格する」という都市伝説(?) が定着。それなら、観光資源としてモニュメントを設置しようと、2016年3月、祈願そろばんは誕生した。