民主党はマニフェスト実現を「国民との契約」と訴えて政権交代を実現した。しかし、無理難題を掲げたマニフェストは崩壊し始め、政権運営にも影響が出てきている。早稲田大学国際教養学部の池田清彦教授は、何のためのマニフェストなんだと憤りを隠さない。

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 民主党はマニフェストと正反対の政策を推進して、マニフェストを守ろうとした人々を党の決定に従わないと言って非難している。前原誠司は小沢一派を「次の選挙のことしか考えてない」と罵倒したようだが、ウソのマニフェストで政権を詐取した民主党の幹部がよく言うわ。国会を解散して、消費税増税と原発再稼働をマニフェストに掲げて総選挙をやると決めてから、そういうことは言ってくれ。そのうち、辞書にマニフェストという項目は「選挙で票を取るために弄するバラ色のウソのこと」と書かれるようになるよ。

 私は消費税の増税そのものには反対ではない、しかし何度も言うように明確なビジョンもなく、その場限りのやり方で消費税を上げたところでどうにかなるものではない。消費税を上げるのと並行して、サラリーマンの支出額の半分を必要経費として認めて収入から控除する時限立法を作る(高収入のサラリーマンの支出は確実に増えるはずだ)などの景気を刺激する方途を考えないと、消費税を上げても景気は冷え込み、税収は増えず、ロクなことにならない。公務員の給与を減らせなどとバカなことを言っているうちは、この国に未来はない。ルサンチマンは滅びへの道である。国家公務員の給与総額は3.7兆円強で生活保護費の総額とほぼ同じなんだよ。

※週刊朝日 2012年8月3日号