さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版、「世界の空港・駅から」。第5回はシンガポールのチャンギ空港から。
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僕の睡眠場所である。
シンガポールのチャンギ空港の第3ターミナル。ビジネスクラスの人が使うラウンジの脇の通路を進むと、このスペースがある。
ここがみつかってから、ずいぶん楽になった。やはりシンガポールのチャンギ空港は優しい空港だと思う。
チャンギ空港の利用者数は多い。年間5500万人ほど。東京の成田空港より約2000万人も多い。乗り入れ便も多いから、乗り換え客もかなりの数になる。
チャンギ空港は24時間空港でもある。日本からの便が深夜に到着すると、翌日の早朝便に乗り換えるパターンが多くなる。以前は飛行機を降りた人々の流れに沿ってイミグレーションの外に出ていた。ターミナル内だが、イミグレーションの先は普通の空港である。ベンチに体を横たえて仮眠をとるしかないのだ。
なにかいい寝場所はないだろうか。空港内はどうだろう。