この二人は、日本の芸能史に残る突出した才能をもっている人たち。だから普通の人と同じではない。ただ、それでもなお、思う。
人は、不機嫌な人には近づきたくないのだ、と。
やすしさんのように特別な才能がある人や抜きんでた力のある人は、たしかに人は機嫌をとってくれる。
ただそれだって、不運が訪れ、不遇のときは、機嫌をとってくれなくなる。
基本的に、他人は自分の機嫌をとってはくれないのだ。
このことは、忘れがちだが覚えておきたい。
ましてや、わたしたちの99パーセントは、ふつうの人間だ。
「不機嫌な人に近づきたくない」
「他人は自分の機嫌をとってくれない」
このことは、肝に銘じておいたほうがいい。
そして吉本興業で、もう一つ大切なことを教わった。
それは、不運や苦労は自分しだいで「笑い」に変えることができること。
たくさんの芸人さんを間近で見てきた。
売れている芸人さんでもみんないろんな経験をしていた。
初めて出たテレビの役がうつむいて死んでいる死体の役だった明石家さんまさん。
売れていない時に横山やすしさんにボロクソに言われて涙ぐんだダウンタウン。
「女性だから」といっぱい嫌がらせをされた今いくよ・くるよさん。