80年代のファミコンやパソコンで使われていた“ピコピコ”した音源から作られる音楽ジャンル「チップチューン」――。この“ピコピコ音”のトップミュージシャンといわれるヒゲドライバーが1月20日、初のベスト・アルバム『ヒゲドライバー10th Anniversary Best』をリリースし、メジャーデビューを果たす。
シュっとした今流行りの塩顔男子。名前だけでは一般的な馴染みは薄いかもしれないが、ネットで人気を集めている。2005年10月からネット上で楽曲を公開し、「My Space」で日本人アーティストアクセス数1位を獲得した。さらに、13年に発表したTVアニメ『機巧少女は傷つかない』のエンディング曲「回レ!雪月花」はiTunesの総合ランキングでも1位となった。
また、艦娘(かんむす)と呼ばれる旧日本海軍の軍艦を擬人化した人気アニメ『艦隊これくしょん―艦これ―』や『月刊少女野崎くん』といったアニメのテーマソングも制作したほか、人気バラエティー番組「ゴッドタン」(テレビ東京系)やアイドルへの楽曲提供するなど、活動の幅を広げている。
そもそも、なぜピコピコ音で楽曲を制作しようと思ったのか。ヒゲドライバーは、その理由をこう話す。
「音楽が好きでロックバンドを組みたかったのですが、メンバーが集まらずに断念しました。一人でできる音楽を探していると、どこか懐かしい“ピコピコした音”に気がついて、制作を始めたんです。今やると新しいんじゃないかと思って、パソコン1つで曲を作って公開したら楽しくて……。気づいたら10年も経っていました(笑い)」
今回、リリースするアルバムは、10年間の活動をまとめたもので、新曲「REMEMBER THE BEAT」も挿入されている。