フィギュアスケートの全日本選手権が26日、北海道の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催され、男子のフリーと女子のショートプログラム(SP)が行われた。男子は前日のSPでトップに立っていた羽生結弦(ANA)が首位を守りきり優勝。同大会4連覇を果たした。
羽生は最終滑走者として登場。序盤の4回転ジャンプを成功させて波に乗ったかと思われたが、途中の4回転ジャンプとトリプルアクセルで立て続けに転倒。その後なんとか立て直すも、演技後には悔しそうに首を振るシーンが見られた。しかしそれでも、フリーの得点は183.73点。合計286.36点で、2位の宇野と20点近い差をつけての圧勝だった。
大会後のインタビューで羽生は「優勝という結果自体は本当に皆さんの声援のおかげだなと痛感しています」と話すも、演技に関しては「メラメラと悔しい思いが湧きあがっています。それも自分らしいかなと思いますが」と、率直にその思いを明かした。
今回で全日本4連覇を成し遂げた羽生だが、内容には納得していない様子で、次のように続けた。
「フィギュアは結果だけでなく内容とか、表現とか、どれだけ人の心に残るのかとかも非常に大事なことだと思うので。今日はたまたま(他の選手に)パーフェクトな演技、素晴らしいエレメンツがそろった演技がなかったということで、自分が勝てたというのがあるんですけど。自分の中では勝ったとは思っていません。またがんばります」
羽生はこれで、来年アメリカで行われる世界選手権への出場権も手にしたことになる。
女子SPは宮原知子(関西大学中・高スケート部)が73.24点で首位。浅田真央(中京大)はジャンプのミスがひびき62.03点と得点が伸びず、5位でのスタートとなった。女子シングルは、27日にフリーの演技が行われる。(ライター・横田 泉)