神戸地裁に集結した報道陣
神戸地裁に集結した報道陣
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 欠席裁判とはまさにこのことだ――政務活動費をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われている、「号泣県議」「ののちゃん」こと、元兵庫県議・野々村竜太郎被告(49)は11月24日、神戸地方裁判所(佐茂剛裁判長)で開かれる予定だった初公判に姿をみせることはなかった。

 この日、初公判の様子をひと目みようと集まった人の数は、傍聴希望者約600人、報道陣約300人、混乱を予測して動員された警察官約100人の合計約1000人。“ののちゃん欠席”の報が伝わるや否や、傍聴人、傍聴を希望しながらも抽選に外れて裁判所の外で待つ人、報道陣の間からは、「あぁ~ぁ」といったため息と失笑に包まれた。

 今回、“ののちゃん節”をみたくてパートを休んで、初めて裁判の傍聴にやって来たという神戸市内の主婦(45)は、報道陣から「ののちゃん欠席」を聞くと、怒りを露にした。

「欠席なんてバカにしてますよね! 法律で強制的に法廷に引っ張り出すことでけへんのやろか? こんなんがまかり通るなんて許せへんわ。せっかく待っとったのに……」

 同じく傍聴にやって来た大阪府内の大学で法科大学院に通う院生(25)はため息まじりにこう話す

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