これを数日続けたら、今までの限界勉強時間が3時間だとして、それが3時間10分になっていることに気付きます。さらに限界値を高めるために、延びた限界勉強時間にまた10分プラスしてねばるクセをつける。このように机に向かう時間を徐々に増やしていくのです。

 さらに、実践力を高めるためには、過去問を徹底活用することが大事です。ただ、出題された問題の「形式や分量」の分析だけにとどまっていてはいけません。

 過去問を最大限使い倒すためには、「未来予想 勉強法」が有効です。これは過去問から、入試問題を予想するテクニック。作問者は当然ながら受験生以上に過去問を分析していて、「過去問に近いが内容が重ならない問題」を作る傾向があります。入試問題には大学の方針が反映されるので簡単に傾向は変えられないものの、まったく同じ問題を出すわけにいかないからです。

 過去問に取り組むときはこれを逆手にとって、出題された内容を発展させて、関連する知識を思い出しながら解く。さらに一問一答でもいいから、自分の頭のなかで新たな問題を考えることが立派な入試予想になります。過去問を解くときは過去問で問われた知識そのものよりも周辺をおさえる、これは絶対に忘れてはいけないポイントです。

 そして、試験に欠かせないのは「本番力」。普段の成績はいいのに、実際の試験はうまくいかないという人がいますが、その人に足りないのは「本番力」です。これを鍛えるには、「仮想試験日」を設定することがおすすめです。仮想試験日とは「本番の試験スケジュールに合わせて勉強する日」のこと。

 たとえば入試本番は午前10時から90分間の英語の試験があるとします。仮想試験日も同じように朝10時から90分間は英語の勉強をする。こうすることで頭が「朝10時=英語モード」に設定されて、「午前中は国語じゃないと調子が出ない……」なんてことはなくなります。試験直前になったら、週に1回は仮想試験日を設定して勉強することをおすすめします。

 大切なのは学力だけを高めるのみではなく、受かるために必要な力すべてを鍛えることです。勉強時間が多く取れる夏休みまでに、コツをつかんで習慣にしてしまいましょう!

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