その「宣言」は、二つの空港の明暗をはっきりとさせるものだった。
2009年10月、当時の国土交通大臣である前原誠司氏が羽田空港を24時間稼働型の国際空港とする方針を明らかにした。それまでは「国内線は羽田、国際線は成田」という住み分けができていた首都圏の空港運営だが、その歴史に一石が投じられたのだ。
利用者の利便性からみると、より都心部に近い羽田空港の国際化は、歓迎されるべきことだ。しかし、成田空港のお膝元である成田市役所には衝撃が走った。成田市職員の識名公代氏は、当時の様子をこう振り返る。
「成田が首都圏唯一の国際空港という立ち位置が崩れるということに対して、市は危機感を感じ、急きょ対策を講ずる必要があると考えました」
この「対策」として成田市がとった手法が非常にユニークであった。市役所の女性有志が集まり「成田ソラガール」なる市の公認PR部隊を結成したのだ。