
「屋上緑化庭園」のある施設が、いま新たな都心のお出かけスポットとして話題になっている。たかが屋上と侮ることなかれ。最近では、個性的な作りの屋上庭園が数多く点在しているのだ。今回は買い物のひと休みはもちろん、家族連れからカップルまで、幅広く楽しめる屋上緑化庭園をご紹介しよう。
まず、おススメしたいのが、百貨店ならではサービスと世界各国の料理を楽しめる、西武池袋本店の屋上『食と緑の空中庭園』。4月29日にリニューアルオープンしたばかりだ。レストラン&バーのエリアでは、季節ごとに入れ替えたメニューや夜はアルコールを楽しめる。食後はモネの絵画をモチーフにした、奥行き約25メートルの池や、季節の草花で彩られた遊歩道「睡蓮の庭」を眺めながら、ゆっくりと散歩するのもよいだろう。
この施設の大きな特徴のひとつが、「屋上コンシェルジュ」がいるということ。もともとホテルなどで、訪問客のあらゆるニーズに応える「総合世話係」であるコンシェルジュ。屋上コンシェルジュの場合は、屋上庭園をより楽しむするため、イベントや飲食店、季節の草花などの案内もしてくれる。アドバイスをもらうことで、より屋上庭園を満喫することができそうだ。
子ども連れにおススメしたいのが、日本最大級の広さ4300㎡、約300本の木と8000株の植物が植えられた屋上庭園、グランツリー武蔵小杉の「ぐらんぐりんガーデン」だ。広い敷地の中に、季節の花を楽しめるフォトスポットや、水遊びができるクジラの噴水コーナー、床にチョークで絵や文字描ける「こくばんのゆか」など、さまざま遊具やくつろげるスペースが用意されている。ワークショップや朗読、トークショーも実施されているので、1日中楽しく過ごせるだろう。家族サービスで訪れれば、喜ばれることうけあいだ。
「首都高の上を歩いている?」という、不思議な気分を味わえるのが、全国初のジャンクション庭園「目黒天空庭園」。こちら、なんと首都高速道路・大橋ジャンクションの上を庭にしてしまったという斬新な施設だ。長さ400メートル、幅16~24メートのループ状の道路に沿った形状で、高低差は24メートル。最も高い所は地上から35メートルあり、天気のいい日は富士山も望められる。ループの内側にはイベント広場も設けてあるので、地元住民らによる催し物を楽しむことも可能だ。首都高の上を歩く感覚を楽しみながら、空中散歩を満喫していただきたい。
最後に、仕事中のリフレッシュに訪れたいのが「東急プラザ表参道原宿」の6階にある、屋上庭園「おもはらの森」。表参道・原宿エリアの象徴であるケヤキをはじめ、四季が感じられる樹木を配したスペースは、その名のごとく森のよう。気温が26℃以上になると、ドライミストが吹きだすミストシャワーが設置されているので、これからの季節でも快適に過ごせる。スターバックスコーヒーが併設されているので、店内でゆっくりとくつろぐこともできる。7階には、“世界一の朝食”で知られるオーストラリア発のレストラン「bills」がある。朝8時半から営業しているので、朝の散歩を兼ねて行けば、比較的並ばずに入れるだろう。
自然に囲まれながら、ビル群を眺める屋上庭園はまさに都会のオアシス。すべて入場無料なので、近くに立ち寄った際には足を運んでみていかがだろうか。
(ライター・渡辺 恵理)