ベテラン漫才コンビ「今いくよ・くるよ」の今いくよ(いま・いくよ、本名・里谷正子=さとや・まさこ)さんが28日午後5時58分、大阪府内の病院で亡くなった。67歳。京都府出身。昨年9月に胃がんが見つかり、闘病しながらステージに立ってきた。くるよがいくよさんの闘病生活を献身的にサポートするなど、コンビの絆も変わることはなかった。ともに京都出身で、高校時代からの同級生。73年にコンビを結成し、仕事がない状態が続いても、2人で京都から各劇場に足を運んだ。84年には上方漫才大賞を受賞するなど、本格女流漫才師として活躍した。通夜は29日、告別式は30日に京都市内で、家族と近親者のみで執り行う。
昨年12月に3カ月ぶりに仕事復帰した時に、くるよは「09年、私が心臓のバイパス手術を受けた時に、いくよちゃんが助けてくれた。だから今度は私が助ける」といい、入院中のいくよに連日付き添っていたことを明かした。いくよも「お見舞いもお花もなかったですけど、くるよちゃんには珍しく、毎日来てくれました」と笑顔を見せていた。
また同じ28日午前3時5分には俳優の今井雅之さんが、大腸がんのため東京都内の病院で死去した。54歳だった。「病には勝てませんでした」と明かした主演舞台「THE WINDS OF GOD」の降板会見から28日目だった。
4月30日の会見に出席した今井さんは、別人のように痩せ細った姿で登場した。秋には主演映画の撮影を控えていたため「運命は受け入れる。ただ、秋までは生きさせて」と話していた。また、今月5日には入院先から新国立劇場を訪れて舞台あいさつ。「病人ではなく役者として、ここに立ちたかった。今は3分も立っていられない」と小さな声を振り絞った。
亡くなる2日前に容体が急変。「最期は妻と看護師の姉にみとられながら息を引き取ったそうです。あれだけ苦しんだのに、にこやかに笑顔を浮かべていたそうです」(芸能関係者)という。遺体は実家のある兵庫県内に移送され、29日以降に密葬が営まれる。
(ライター・浜中こまき)