苦手な英語を1年で克服し、ハーバードに合格。独自の勉強法を公開した『ハーバード合格 16倍速勉強法』(朝日新聞出版)を出版した本山勝寛さんは、現在、日本財団で英語を使って仕事をし、世界各国で国際会議を取り仕切っている。長期間、学校で英語の授業を受けてきたにもかかわらず、英語を使えない日本人が多い現状を、「日本は“英語教育詐欺大国”」だという本山さんが、1年で英語を習得できる効果的な勉強法を語る。

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 先日発表された「ビジネスパーソンの習い事・スキルアップに関する調査」(Gaba調べ)によると、社会人になって取り組んだことのある習い事・スキルアップで、「英語・英会話」(25.5%)が、2位「フィットネス・ジム」(22.2%)や3位「ワード・エクセル・パワーポイント」(20.1%)をおさえて1位となった。さらに今後始めたい習い事・取り組みたいスキルアップでも、「英語・英会話」は39.0%と、2位「料理・お菓子」の18.8%を大きく引き離し1位だった。つまり英語は、社会人の4人に1人は習ったことがあり、5人に2人は今後始めたいと考えている、日本で最もニーズの高い習い事・スキルアップといえる。

 にもかかわらず、日本人の英語力が伸びているという話は聞かない。TOEFLの平均値も世界的に最低レベルで、隣国の韓国や台湾、中国からも引き離されている。

 私は英語が大の苦手な英語劣等生だったが、ある勉強法を実践することで、短期間の独学でスコアを急上昇させ、ハーバード大学院に合格し、卒業するまでの英語力を身につけた。今回、その方法のすべてを読者と共有するために『ハーバード合格 16倍速英語勉強法』を上梓した。
 
 著書では、英語学習を1年で確実に成功させるための方法を、4つの要素「英語脳」「戦略」「時間」「効率」に整理し、それぞれ具体的な対策を紹介している。今回はそのなかでも、英語学習のモチベーションを向上させ、さらに日本人が特に苦手なリスニング力とスピーキング力を磨くことのできる「一石三鳥」の英語勉強法を紹介したい。

 その方法とは、英語の名スピーチを自分が本人になったつもりで真似してみることだ。多くの人に感動を与える名スピーチは、実はシンプルで分かり易く、英語のフレーズがダイレクトに脳と心に響いてくるものが多い。英語学習において、英語を英語としてダイレクトに理解し、喜怒哀楽を感じることは、「英語脳」を形成する上でとても重要だ。日本の英語教育が、構文解釈し、和訳して理解させようとするのとは逆の方法といえる。

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