「私たちは各地域の特性に合った自然エネルギーを利用する環境配慮型の住宅を全国で提案しています。このような住宅が増えることが、環境共生型の社会への一歩となるでしょう。ただ、数が増えるだけでは本質的な解決にはなりません。エネルギーの消費自体を抑える環境に優しいライフスタイルへのシフトこそが大切なのだと思います。そのためにも、環境配慮型の住宅だけではなく、環境に負荷をかけないライフスタイルの提案・普及にも力を入れたい」
再び太陽熱温水器の利用が拡大すれば、消費エネルギーの節減に加え、温室効果ガスである二酸化炭素の削減が可能となる。また、しばしば「増えすぎると電力が不安定になる」との理由で電力会社が積極的な取り込みをためらう太陽光や風力による発電とは異なり、太陽熱温水器は、送電網につながない自立した創エネ装置という強みもある。
日本では太陽光発電の陰に隠れ、忘れられた感のある太陽熱温水器だが、ドイツやアメリカ、中国などでは太陽熱利用機器の導入状況は増加傾向にある。持続可能な省エネ社会に向けたクリーンな創エネ装置の一つとして、日本でも太陽熱温水器の普及にもっと力を入れるべきではないだろうか。