卒業、入学、進学、就職、昇進、転居……一年を通して、一番たくさんの出会いと別れが訪れる、春。お世話になった人へ「ありがとう」、新しく出会う人へ「はじめまして」の気持ちを伝えるギフトを何にしようと、そろそろ考え始める時期ではないでしょうか?相手の喜ぶ顔を想像して、あれこれとギフトを選ぶ。このプロセスが楽しい!という人は多いことでしょう。

 しかし、ソニーマーケティング(株)が20から40代の全国の男女500人を対象に行った調査では、なんと78%もの人が「うれしくないプレゼントをもらったことがある」という結果が出ました。
 うれしくなかったプレゼント第1位は「自分の趣味に合わない服」(48%)、第2位は「置物」(38%)、第3位は「自分の趣味に合わないアクセサリー」(36%)。以下、キャラクターグッズ、安価なアクセサリー、手作りスイーツと続きます。

 新社会人になる知人にネクタイやアクセサリーなど、ファッション系を贈ろうと考えていたあなた、ドキッとする結果ですね。自分がしてほしいことと、相手がしてほしいことは違うのです。日ごろから相手と関係を密にし、好みをリサーチしておくことが、“ギフト上手”への近道だと、心得なくてはなりません。

 さらに矢野経済研究所の調べでは、東日本大震災後にお中元やお歳暮といった“儀礼ギフト”が低調だった市場は、親しい人との絆を重視する“カジュアルギフト”の増加で、次第に拡大しているそう。興味深いところでは、かつて結婚祝いで「タブー」だった陶器や鏡などの“割れもの”や包丁といった“切れもの”を選ぶ人が増え、もはや「ギフトにタブーなし」、というのが新たなトレンド。かしこまらず、もっと自由に、素直な気持ちをギフトで表すことが主流になりそうです。

 そんなトレンドを反映し、ギフト選びが簡単に、楽しくできると今、話題になっているのが、2011年からスタートした「giftee(ギフティ)」。メールやソーシャルメディアなどを通じて、カジュアルなギフトを相手に気軽に贈れる新サービスです。

 贈り方は簡単。相手に贈るギフトを、全国80店舗の加盟店やファミリーマート、クリスピー・クリーム・ドーナツなどの加盟ブランドから選び、メール、ツイッター、facebookなどを通じて、メッセージを添えた“ギフトカード”を送信するだけ。スマホならLINEでも送れるから、大切な家族や仲間にサプライズプレゼント、なんてこともできるのです。

 そして、ギフトの受け取り方をカスタマイズできるのも新しい。
「店頭でギフト画面を見せて品物を受け取ることも、届いたギフトカードに住所入力して宅配してもらうこともできます。相手の都合に応じた方法で贈れる気配りが、両者の絆をぐっと深めることでしょう」。

 ギフトを贈る、贈られる。これはひとつのコミュニケーション。縁あってメールやSNSでつがっている相手に、さくっとカジュアルギフトを。これ、春ギフトの定番になりそうです。

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